逗子の地域医療課題解決に向けて力強く計画を前進させる。

ご存じのように、逗子市ではこれまで4回の総合病院誘致を計画してきましたが、全て断念という残念な結果になっていました。私が市長に就任してからは、2020年に総合病院誘致候補の医療法人「葵会」との覚書を解消し、白紙に戻しました。

このことに関して、私が医師会の意向を受けてあえて病院誘致を頓挫させたという話をする方もいらっしゃいますが、事実は全く違います。当初は病床数200床を目指す総合的病院を、という願いで進めた計画でしたが、準備を進める葵会側の計画病床数が109床(急性期病床24床・回復期85床)から増床の進展は望めず、計画は “こう着状態“ になったため双方合意の上で解消に至りました。

つまり、市民が望む理想的な総合的病院を設立することが困難になったため、ここは無理に計画を進めて未来に禍根を残すよりも一旦リセットすることを決断したのです。

その後は、「市民・医師会・行政が一堂に集い、今後の逗子の地域医療について話し合う場を設けて計画を進める。」というお約束をしていましたが、コロナ禍で開催できない状態が続いておりました。感染者数が過去最大となる第7波真っ只中のこの時期に、とのご意見も承知しておりますが、逗子の地域医療の課題解決に向けてこれ以上時間をかけることはできない、という判断のもと感染対策に十分配慮しつつこの第一回「これからの地域医療を考える」を開催しました。
 
コーディネーターをお勤め頂いた、伴正海先生は横浜市大医学部在学中にアフリカで医療従事されたり、卒業後は高知県での医療体制構築にご尽力し、へきち医療に取り組んだり、厚労省での策定に従事するなど、お若いのに幅広い活躍をされた地域医療に大変知見と経験の豊富な方です。当日会場にご参加の皆様も先生の進行方法にはご納得されたのでは、と思います。地域医療に関わる専門的なお話しや事例が市民の皆さんにも確実に共有されているのが伝わってきて、本当に有意義な会になりました。

今後、このような三者の話し合いを継続し、本当に市民の皆様が望む地域医療の実現に病院はどうあるべきか、の結論を市民の皆様と、医療の専門家である医師会と、行政が一体となって導き出したいと思います。そして、それに沿った病院誘致の実現に向けて、迅速かつ力強く前進してゆきたいと思います。
この活動こそが今後の逗子市の医療課題を解決する最良の方法であると確信しています。
また次回の会議を準備して参ります。

この記事を書いた人

kirigaya

桐ケ谷覚(きりがやさとる)
第9代 神奈川県逗子市長
10年後、20年後、30年後も未来への希望のある逗子へ!